Vol.187  2月26日号「ガスふろがま及び石油ふろがまの事故」
■■■◆ 2013.2.26 Vol.187
■ ◆========= PSマガジン(製品安全情報マガジン)==========
■■■◆ 製品安全についての情報をお届けします。
■ ■■■ (第2・4火曜日発行)
■ ■ <等幅フォントでご覧ください>
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■ 独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE・ナイト)
■■■ 製品安全センター
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寒い日が続いていますが、こんな季節に温かい湯船につかって体を温めて、
一日の疲れがお湯でいやされるような感覚は、日本に住むことで味わえる幸せ
です。今回は、そんな幸せを脅かしかねないガスふろがま及び石油ふろがまの
事故事例をご紹介します。NITEからのお知らせでは、電気工事士法に規定
する自家用電気工作物の保安に関する講習を行う者が指定された件について
(追加指定)、「こんな事故にもご用心」の注意喚起ちらしの追加などを掲載
します。
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項目一覧
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1.製品事故収集情報
・ガスふろがま及び石油ふろがまの事故
・消費生活用製品の事故情報収集状況
(2月6日~2月19日受付118件)
2.社告・リコール情報(2件)
3.NITEからのお知らせ
・電気工事士法に規定する自家用電気工作物の保安に関する講習を行う者
が指定された件について(追加指定)
・「こんな事故にもご用心」の注意喚起ちらしの追加
・今月のプレスリリースについて
4.その他の製品安全情報
・iPod nanoの製品事故に係る定期報告
・次亜塩素酸ナトリウムを含むとの表示がある「ウイルスプロテクター」
について
・消費生活用製品の重大事故製品に係る公表について
・「ISO10377」「ISO10393」解説
製品安全デザイン戦略セミナー
~ 安全・安心で顧客満足・ブランド価値向上~
・ISO10377 製品安全ガイドライン
ISO10393 製品リコールガイドライン解説
製品安全情報の構築とプロモーションの進め方
5.特集「リコール品での事故」
6.編集後記
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1.製品事故収集情報
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◆◆◇ ガスふろがま及び石油ふろがまの事故 ◇◆◆
◇今回は、ガスふろがま及び石油ふろがまの注意していただきたい事故
事例をご紹介します。
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(事例1)【点火操作の繰り返しによるガス滞留】
ガスふろがまのケーシングの一部が変形した。
→ 点火操作の繰り返し等により、未燃ガスが滞留し、異常着火した
ものと推定されます。
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(事例2)【給気口等をふさいだことによる不完全燃焼】
浴室で人の死亡が確認された。住宅は外壁の塗装工事中であり、
廊下に面した窓やふろがまを収めるスペースの扉をビニールシー
トで覆ってあった。
→ 使用されていたガスふろがまは一次排気筒が外れて隙間ができて
おり、さらに建物は塗装工事中であり、給気口等がビニールシー
トで覆われていました。その結果、不完全燃焼が生じ、一酸化炭
素中毒に至ったものと推定されます。
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(事例3)【空だきによる発火・焼損】
浴槽に水を張らずに石油ふろがまのスイッチを入れたため、空だ
きになり出火し、循環パイプなどを焼損した。
→ 空だき防止装置のないふろがまを使用しており、浴槽内の水を確
認せずに誤ってふろがまのスイッチを入れたため空だき状態とな
り、火災に至ったものと推定されます。
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(事例4)【長期使用による経年劣化】
石油ふろがまを使用中、火災が発生し、石油ふろがまが焼損し、
1人がやけどを負った。
→ 長期間使用(約28年)に伴う排気経路の亀裂、給気経路の埃詰
まり等による給気不足や灯油経路からの水・異物の侵入により、
噴霧・着火・燃焼不良等でふろがま炉内の堆積物に未燃灯油がし
み込み、この油の燃えた火が機器内に漏れてコード類に引火した
と推定されます。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
◇事例1のように、ガスふろがまはその他ガス機器同様に、点火操作を
繰り返すと未燃ガスが滞留して異常着火することがあり危険です。点
火操作を行って、点火できなかった時は換気を行い、時間をおいてか
ら再度点火するようにしてください。
◇事例2のように、給気口をふさぐと不完全燃焼が起こり一酸化炭素中
毒による死亡事故の原因となります。給気口等をふさがないでくださ
い。
◇事例3のように、空だきは焼損や火災に至る場合があります。浴槽に
水を入れていても、栓が確実に閉まっていないこと等により、浴槽の
水が抜けて空だきになることもありますので、注意してください。
◇事例4のように、ガスふろがま及び石油ふろがまは、長期使用による
点火不良や異常燃焼、配管のゆるみや亀裂による燃料漏れ等の経年劣
化事故が発生しています。異常を感じたら、メーカーや販売店に相談
して点検を受けてください。またガスふろがま及び石油ふろがまは平
成21年4月1日に「長期使用製品安全点検制度」における特定保守
製品に指定されています。
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◆◆◇ 消費生活用製品の事故情報収集状況 ◇◆◆
(2月6日~2月19日受付118件)
NITEに通知のあった事故情報から、収集件数の多い製品を掲載しま
す。
製品名 (事故状況と件数)
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1.ガス給湯器 (破損等9件)
2.石油ストーブ (死亡等6件)
ガスふろがま (破損等6件)
ガスこんろ (火災等6件)
5.電気温風機 (死亡等5件)
ガス給湯器の事故は点火したところ、異音がし、ケーシングの一部が変
形した事故等で、電気温風機の事故は火災が発生し、1名が死亡した事
故等です。
◇過去の受付事故情報
http://www.nite.go.jp/jiko/sokuho/index20.html
◇調査が終了した事故情報の事故原因や再発防止措置などの検索
http://www.jiko.nite.go.jp/php/jiko/index.html
■事業者、消費生活センター、地方自治体、病院等の皆さま、是非とも
事故情報をご提供ください。事故の再発防止のために有効に活用させ
ていただきます。
http://www.nite.go.jp/jiko/index10.html (Word版・PDF版)
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2.社告・リコール情報
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◆TDK株式会社 「加湿器」(HP)
(2013/2/22)
当製品において、ヒーター部の問題により、最悪の場合、発煙・発火に
至る恐れがあることが判明。(回収)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/2013022201.html
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◆ヤマハ株式会社 「ゴルフクラブ」(HP)
(2013/2/12)
当製品において、ネジ部寸法が規格外のRTSウェイトの混入により、
ネジの空回り、また最悪の場合、シャフトからヘッドが抜けるおそれが
あることが判明。(無償点検(部品交換))
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/2013021201.html
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◇過去1年間の社告・リコール情報
http://www.nite.go.jp/jiko/index4.html
◇社告・リコール情報の検索
http://www.jiko.nite.go.jp/php/shakoku/search/index.php
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3.NITEからのお知らせ
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◆◆◇ 電気工事士法に規定する自家用電気工作物 ◇◆◆
の保安に関する講習を行う者が指定された件について(追加指定)
経済産業省は電気工事士法第4条の3に規定する自家用電気工作物の保
安に関する講習を行う者について、新たに指定を受けたい旨の申請があ
り、電気工事士法施行規則第9条の11に規定する指定の基準を満たし
ていると認められることから、申請のとおり指定講習機関として指定し、
同規則第9条の23の規定に基づき、平成25年2月12日付けで公示
を行いました。
http://www.meti.go.jp/policy/safety_security/industrial_safety/oshirase/2013/02/250212-1.html
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◆◆◇ 注意喚起ちらしについて ◇◆◆
NITEで収集した事故情報を基に作成した注意喚起ちらしをホームペ
ージに掲載しております。地域や社内回覧にご利用ください。
注意喚起ちらしの追加
・「こんな事故にもご用心(No.43)」
内容:ガス・石油ふろがま、石油・ガスファンヒーターなど
http://www.nite.go.jp/jiko/chirashi/data/pdf/91_goyoujin43.pdf
◇過去の注意喚起ちらしの情報
http://www.nite.go.jp/jiko/chirashi/chirashi.html
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◆◆◇ 今月のプレスリリースについて ◇◆◆
NITEでは、「ガスふろがま及び石油ふろがまの事故の防止について
(注意喚起)」2月21日に注意喚起を行いました。
http://www.nite.go.jp/jiko/press/prs130221.html
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4.その他の製品安全情報
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◆◆◇ iPod nanoの製品事故に係る定期報告 ◇◆◆
経済産業省
iPod nano(第一世代)の製品事故が多数発生していることを
受けて、経済産業省は、Apple Japan合同会社(旧アップル
ジャパン株式会社)に対して、消費生活用製品安全法に基づき、消費者
に対する注意喚起及び再発防止策等について報告を指示し、対策の実施
状況を定期的に報告するよう指示しています。
http://www.meti.go.jp/product_safety/download/kouhyou130222_2.pdf
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◆◆◇次亜塩素酸ナトリウムを含むとの表示がある「ウイルスプ◇◆◆
ロテクター」について
消費者庁
首からぶら下げるタイプの携帯型空間除菌剤「ウイルスプロテクター」
について、化学熱傷を起こすおそれがあるため、事業者が消費者庁と厚
生労働省の要請に応じ自主回収を行うことを決定しました。消費者の方
は、直ちに使用を中止してください。
http://www.caa.go.jp/safety/pdf/130222kouhyou_2.pdf
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◆◆◇ 消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について ◇◆◆
消費者庁
消費者庁は、消費生活用製品安全法第35条第1項の規定に基づき報告
のあった重大製品事故について、以下のとおり公表しています。
02/22 http://www.caa.go.jp/safety/pdf/130222kouhyou_1.pdf
02/19 http://www.caa.go.jp/safety/pdf/130219kouhyou_1.pdf
02/15 http://www.caa.go.jp/safety/pdf/130215kouhyou_3.pdf
02/13 http://www.caa.go.jp/safety/pdf/130213kouhyou_1.pdf
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◆◆◇ 「ISO10377」「ISO10393」解説 ◇◆◆
製品安全デザイン戦略セミナー
~ 安全・安心で顧客満足・ブランド価値向上~
日経デザイン
【開催日】2013年3月21日(木)13:00~16:30
【会場】 TKP品川カンファレンスセンター ホール2(東京都)
【参加費】有料(35,000円)
【詳 細】 http://business.nikkeibp.co.jp/nds/ISO10377/
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◆◆◇ ISO10377 製品安全ガイドライン ◇◆◆
ISO10393 製品リコールガイドライン解説
製品安全情報の構築とプロモーションの進め方
日刊工業新聞
【開催日】2013年3月14日(木)10:00~17:00
【会場】 日刊工業新聞社 大阪支社 セミナー会場(大阪府)
【参加費】有料(42,000円)
【詳 細】 http://form.nikkan.co.jp/r/c.do?D2f_CM9_NI_aes
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5.特集「リコール品での事故」
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現在、多くの製品の社告・リコールがされていますが、リコール後も事
故が起きているものがあります。その中から火災にいたる等、大きなリ
スクのある製品を以下にご紹介します。現在使用されている製品がリコ
ール品でないかどうか確認して、リコール品の場合は使用を中止してメ
ーカーに問い合わせてください。事故を未然に防ぎましょう。
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◆「電子レンジ」
【発煙・発火(無償点検・修理)】
(株)千石(岩谷産業(株)ブランド)
http://www.iwatani.co.jp/jpn/info/info080414_3.html
【発煙・発火(無料部品交換)】
パナソニック(株)(旧松下電器産業株式会社)
http://panasonic.co.jp/ap/info/important/product/index.htm
【発煙・発火(無償修理・部品交換)】
小泉成器(株)
http://www.koizumiseiki.co.jp/important/
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◆「石油給湯機(付き風呂釜)」
【発火(無償点検・部品交換)】
(株)ノーリツ
http://www.noritz.co.jp/info/05-1.html
【発火(無償点検)】
TOTO(株) [製造:東陶ユプロ(株)(解散)]
http://www.toto.co.jp/News/yupro/index.htm
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◆「ガスふろバーナー」
【本体の焼損(無償点検・部品交換)】
(株)世田谷製作所
http://www.setagaya-seisakusyo.co.jp/cgi-bin/pdfdata/20081211220036.pdf
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◆「石油ふろがま」
【空だき防止装置が作動しないおそれ(無償点検・改修)】
(株)長府製作所
http://www.chofu.co.jp/support/important/20070727.html
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◆「携帯型音楽プレーヤー」
【発火(無償交換)】
Apple Japan合同会社
http://www.apple.com/jp/support/ipodnano_replacement/
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◆「エアコン」
【発煙・発火(無償点検・修理)】
東芝キヤリア(株)
http://www.toshiba-carrier.co.jp/
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◆「冷蔵庫」
【発煙・発火(無償部品交換)】
LG Electronics Japan(株)(旧LG電子ジャパン)
http://www.lg.com/jp/support/support-notice/JPNTC120806004002
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◆「洗濯機」
【発煙・発火(無償点検・部品交換)】
ハイアールジャパンセールス(株)
http://www.haier.com/jp/support/haier_washing_machine/index.shtml
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◆「電気こんろ」
【意図せずスイッチが「入」となる可能性(無償改修)】
パナソニック(株)(旧松下電器産業株式会社)
http://panasonic.co.jp/ap/info/important/cooking/index.htm
【意図せずスイッチが「入」となる可能性(無料改修)】
三菱電機(株)
http://www.mitsubishielectric.co.jp/oshirase/cookingheater/index.html
【意図せずスイッチが「入」となる可能性(無償改修)】
日立アプライアンス(株)(旧日立熱器具(株))
http://www.hitachi.co.jp/information/support_120220/index.html
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6.編集後記
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厚生労働省の人口動態統計をみると家庭の浴槽内での事故死者数は毎
年約3000人にのぼるそうです。寒い浴室で熱い湯船に入ることに
よって血圧の急変動が起こり気を失って、そのまま溺死すると考えら
れています。日本の家庭内の事故では火災よりも死亡者数が多く、そ
の入浴スタイルとあいまってリスクが高くなっています。が、日本の
長年の習慣に基づくリスクなので社会的には許容されているようにみ
えます。このデータを外国人に見せるとどのような反応をするのでし
ょうか。機会があれば外国人に聞いてみたいものです。
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